アビブ紛争地域 ―絶えざる戦いの大地―

冒険日誌

獰猛なけものの唸り声のような、けたましい猛禽類の鳴き声のような、そんな声が山から聞こえてきた。
と、気がつくと黒く巨大な何かが羽を広げて眼前に現れ、尖った牙を見せながらニヤリと笑った気がした。ぞわりと背筋が震えるのと、黒いそれが体を回転させながら突進してきたのと、どちらが先だったのだろう。
私は武器を出すこともできず、しかしなぜか目の前の怪物の姿は鮮明に見えていた。その傍らで揺らめくように立つ黒いフードをかぶった人の姿も……。
その時、光の矢が怪物を貫いた。私は助かったみたいだ。矢を放ったのは一人のガネルだった。
彼女が語るに、私が見た怪物の名はカルク、その背後にはカーマスリビアを狙うアヒブの影。案内された基地にはグリフォン、ペリ、パデュスといった面々が緊張を張りつめらせていた。誰もがどこかしら傷ついており、疲労の色も濃い。
カーマスリビアの各地で聞いた血みどろの戦場が、目の前にあった。

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